前回のHD2フィルターの続きです
HD2フィルターをベースに密着させてはダメなのですか?
ハイ(^-^)/だめなんです
どうして?
最近のプロ仕様機は電子制御のキャブレターが採用されています
負荷の軽いときには燃料を少なく、負荷の大きいときには多く出すように
エンジンが調子よく回るところに設定値を細かく変えています
また、フィルターが詰まってきて吸気量が減ると、少ない空気量に合わせて燃料も少なく設定してしまいます
ここでフィルターを掃除して空気量が急に増えると燃料の設定が少ないまま高速回転することになるので焼け付く可能性が高くなります
スチールではそれを防止するために一定以下の空気量にならないようにバイパスを設けています
ハスクバーナは密着させてるでしょ?
では、ハスクバーナの場合を見てみましょう
エアフィルターはNYLON 44 µm yellow が採用されていました
性能はスチールに比べ若干落ちますが空気量を一定以下にならないように確保しています
詰まってバイパスさせるか最初から確保するかの違いになっています
重要バイパス機能がないので目詰まりしないように定期的な清掃を心掛けてください
フィルターが詰まってエンジンの吸い込む空気量をまかないきれない場合、エンジン内部は空気の薄い状態(負圧≒真空に近い状態)になります
フィルターがベースに密着している場合、次に弱い部分は・・・オイルシールです
オイルシールが度重なる真空状態に耐えられなくなるとシールから空気を吸い込むようになり、粉塵もその都度中へと入っていき、ベアリングの動きも阻害します
エンジンは回ろうとするのにベアリングが動かなかったらどうなるでしょう?
(動画の音量注意)
オイルシールが全く役に立ってないのが判ると思います
さらにクランク軸とベアリングの嵌合部からも泡が出てます
オイルシールは交換可能ですが嵌合部の摩耗はクランク軸とベアリングをセットで交換しなければなりません(摩耗が軽微なら修繕は可能です)⇒ 修繕事例
ここまで読まれて、ハスクバーナって設計はどうなの?と思われるかも知れませんが
そこは大丈夫です
ハスクバーナはフィルターが詰まっても粉塵をダイレクトに吸い込むことがなく、日常的に清掃していればオイルシールがすぐに痛むことはありません
バイパスで吸気しない分、粉塵にさらされる確率はスチールより低いかも知れませんね
スチールはフィルターが詰まったらバイパスで吸気するので一緒に粉塵を吸込みます
粉塵を吸い込めばベアリングやオイルシールが損傷することもありますのでフィルターが詰まる前に清掃することが肝心です
ハスクバーナとスチール、どこにダメージを持っていくかの設計思想の違いかな?
と思うのでどちらが優れているとは言い切れませんが
どちらにしても日常の清掃が大切になります
フィルターが汚れたら機械のためにもお財布のためにも清掃・洗浄をお願いします
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