STIHL MS362C-Mのエンジン不調
症状
エンジン始動可能
高速回転も可能
アイドリングでエンスト
診断器につなげて状態を見ます
フルスロットルが下限に行ってます
考えられる原因はいくつかありますがマフラーが濡れていたので燃料過多か失火かなと推測
前回同様いつもの手順で故障診断します⇒
スパークプラグ交換・試運転
マフラー取外し・ピストンの状態確認
キャブレター取り外し・見れる範囲でピストン目視
クランクケースの圧漏れテスト
キャブレターを新品に交換して試運転
コントロールユニットを交換して試運転
キャブレターを元に戻して試運転
今回のエンジンの状態は・・・
1.スパークプラグ交換・試運転 ⇒ 変化なし
2.マフラー取外し・ピストンの状態確認 ⇒ 異常なし
3.キャブレター取り外し・見れる範囲でピストン目視 ⇒ 異常なし
フィルターハウジングはチョークロッドとM5のナット(2面幅8mm)2個を取り外し
防振ゴム2個は嵌め込んであるだけなのでドライバーやプライヤーで外します
キャブレターも押し込まれているだけなので簡単に取り外せます
分解・組立がとても楽ですね
4.クランクケースの圧漏れテスト ⇒ 異常なし
次はキャブレターを入れ替えてテストですが
フルスロットル(H値)が下限
マフラーから液垂れ
アッセンブリで駄目になることはあまりない
なので電磁弁(ソレノイド)の動きが悪いかな?と推測
高額出費を抑えるためにも電磁弁を交換してテストしてみます
トルクスT10ネジを外して電磁弁を抜き出し新品と交換します
組み立て試運転 ⇒ エンストしなくなりました
出荷時の設定値へリセットして修理完了です(*'-')b OK!
電磁弁(ソレノイドバルブ)解説と注意点
電子制御キャブレターなどに使われる電磁弁はどのメーカーでも共通してますが普段は開いたままで電圧を掛けるとバルブが閉じていきます
電圧を掛けると開くようなイメージがありますが逆なんですね
これは高速運転中にハーネス切れやコントロールユニットの故障で電源がなくなった場合バルブが閉じていると燃料が来なくなってエンジンが焼き付く可能性があるので万が一の時にも損傷が最小限で済むように設計されているんですね
ちなみにキャブレターの制御も焼付き防止に下限値が設定されています
ですのでエンジンが掛からない程度のゆっくりスピードでスターターを引き続けるとバルブ全開で燃料が出てくるので燃料過多(吸いすぎ)になります
今回は燃料過多(吸いすぎ)の症状で運転データではH値が下限に行ってましたのでバルブの動きが悪くコントロールユニットがバルブを閉じさせようと電圧を目一杯掛けていると推測できます
バルブの固着は燃料の不純物(コンタミ)が堆積したりバルブのかじりつき・偏摩耗・コイルの性能低下など機械的な故障で起こることがあります
部品の経年劣化は避けられませんが少しでも寿命が長くなるように良い混合燃料のご使用と燃料フィルターの定期的な交換をおすすめしています
機械は最新になるほどデリケートで高額になっていきますね~(;´∀`)
Comments