連日酷暑・猛暑日が続いています
こう気温が高いとガソリンエンジンは調子が悪くなりますね
気温が高いと空気が膨張して密度が低くなります
酸素も同じく薄くなるのでガソリンも薄い設定にしないと掛かりにくかったり調子が出なかったりします
また、タンク自体が温まってガソリンが沸き立つこともあります
対策としては
保管時は日陰で直射日光に当てない
風通しの良いところに置く
エンジンを掛ける前に燃料キャップを緩めて内圧を抜く
作業後はしばらくアイドリングでクールダウンする
キャブレターの設定が冬のままなら夏仕様に調整する
など機体の温度を上げないようにすることやキャブレター調整、また、ハイオクを使うのも効果的です
燃料の流れを見てみましょう
燃料タンク(液体)
↓
燃料ホース(液体)
↓
キャブレター/インジェクション(液体)
↓
吸気の空気中~エンジン内(霧状・気体+液体)
↓
エンジン内壁に付着(霧状・気体+液体)
↓
シリンダー(気化・蒸発→気体)
ざっくりとこのような流れになっています
ここで違った状態になると途端に調子が悪くなります
ハイオクはレギュラーに比べて若干沸点が高いので燃料タンクやホース、キャブレター内でエアがみのような症状(ベーパーロック)や吹き出す現象(パーコレーション)が起こりにくく混合気の濃度が不安定になることも少なくなります
このような症状は一度起こるとエンジンや機体の温度が下がるまで回復しません
また吸気温度が高くなるとノッキングが起こりやすくなります
ノッキングはプラグの火花以外の熱などで着火してしまう現象で火炎がプラグ以外の部分から発生して上昇途中のピストンを叩いたりして大きな衝撃が起こります
これが続くとエンジンが破損します
スパークプラグの端子が欠けたりするのはノッキングが原因だったりしますので要注意
ハイオクは狙った点火時期以外では着火しにくいのでノッキングの防止になります
以下ハイオクの解説 読み飛ばしてください
日本の場合
レギュラーガソリン=オクタン価89~95
ハイオクガソリン =オクタン価96以上
ちなみに欧米では
レギュラーガソリン=オクタン価95
ハイオクガソリン =オクタン価98以上
輸入車がハイオク指定になってしまうのは日本のレギュラーがローグレード過ぎるから
なんですね(;´Д`)
チェンソーもレギュラー=オクタン価95で設計されているので
日本で調子が悪くなるのはある意味必然?なところはあります
日本のレギュラーとハイオクを50:50で欧米並みには出来ますが管理も難しいですね
ガソリンは色々な炭化水素の混合物で主成分はイソオクタンとノルマルヘプタンがあります
イソオクタン オクタン価100(基準値)沸点99~116℃
ノルマルへプタン オクタン価0の指標物質 沸点98℃
オクタン価90=イソオクタン90%+ノルマルヘプタン10%
※実際はアンチノック剤(トルエン他芳香族系炭化水素)などの添加剤でもオクタン価を調整しています
また不完全燃焼の対策として低分子のポリブデンが配合されているものもあります
イソオクタンは球状の形でノルマルへプタンは鎖状の分子になっています
球状の分子は表面積が小さく反応しにくいので燃えにくく
鎖状に長いものは表面積も大きいので反応しやすく燃えやすくなります
丸めた紙より広げた紙の方がよく燃え上がるようなものですね (*'-')b
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