ハスクバーナ 550XP-Mark2 エンジン不調 その2

更新日:9月19日

ハスクバーナ 550XP-Mark2 不具合の事例 - エンジン(オートチューン)の不調


前回 ハスクバーナ 550XP-Mark2 エンジン不調 その1

ハーネスのボディ短絡を修繕した機体がアイドリングでエンストする症状が再発しました


症状

  • 通常通り始動可能

  • アイドリングでエンスト ⇒ 再始動可能

  • 機体を傾けるとエンスト ⇒ 再始動可能

  • 突然エンストする

  • CST(診断器)で認識する

ハーネスの修繕部分かと思いましたが異常なし

基本にかえって確認作業します


いつもの故障診断手順(メーカー問わず使えます)

  1. スパークプラグ交換・試運転

  2. マフラー取外し・ピストンの状態確認

  3. キャブレター取り外し・見れる範囲でピストン目視

  4. クランクケースの圧漏れテスト

  5. キャブレターを新品に交換して試運転

  6. コントロールユニットを交換して試運転

  7. キャブレターを元に戻して試運転

電子制御キャブレターに限らずこの手順でおおよそ見当が付きます


私見ですが電子制御キャブレターの故障診断ではPC+診断器よりも確認用のキャブレターとコントロールユニットを揃えていたほうが原因の特定に役立ちます


初期投資は痛いけど正確性と時間を買うのに必要ですね

PCに繋いだところで故障原因や交換部品が提示されるわけでもないですし


さて今回の患者さんの状態は・・・

  • スパークプラグ交換⇒変化なし

  • マフラー取外し・ピストンの状態確認 ⇒ OK

  • キャブレター取外し・機体の圧漏れテスト ⇒ 負圧にならない・加圧時スカスカ

どうもオイルシールが傷んでエアを吸い込んでいるようです

クランク軸はガタつきとか違和感がなかったのでベアリングは無事でした

550XP MarkⅡ フライホイール側
550XP MarkⅡ フライホイール側

550XP MarkⅡのオイルシールはベアリングのインナー側に接していて内径が大きくリップ当たり面が長いため相対的に傷みやすくなっています

550XP MarkⅡ クラッチ側
550XP MarkⅡ クラッチ側

クラッチ側オイルシールも同様に傷んでいるので交換

機体の圧漏れテスト ⇒ OK


オイルシールはシールリップのたわみ・縮み代・スプリングの荷重+内圧でインナー側と密着します

オイルシール断面 1
オイルシール断面 1

一次圧縮の時はクランクケース内に閉じ込められた混合気が圧縮され、オイルシールの押付力を上げます

一次圧縮(大気圧より内圧が高い)
一次圧縮(大気圧より内圧が高い)

二次圧縮の時にクランクケース側では混合気を吸い込む行程に入ります

二次圧縮(クランクケース側は混合気の吸い込み)
二次圧縮(クランクケース側は混合気の吸い込み)

この時エアフィルターが目詰まりしていると通過する空気量が少なくなるのでクランクケース内の吸引圧力(負圧)が高まります

エアフィルター目詰まり時の吸込み行程
エアフィルター目詰まり時の吸込み行程

オイルシールはシールリップのたわみ・縮み代・スプリングの荷重を超えた吸引力が加わるとシールリップを持ち上げて隙間が開いてしまいます

これを予防するにはエアフィルターの掃除が不可欠ですね

交換したオイルシール比較 シールリップが無くなってます
交換したオイルシール比較 シールリップが無くなってます

・・・オイルシールの外側にダストシールも付けた方がエアの吸い込みも抑えられて良いんじゃないかと修理のたびに思うのですが大径で薄いので構造的に難しいんでしょうか?

ダストリップ ゴミの侵入も防ぎます
ダストリップ ゴミの侵入も防ぎます

各部品を組み立ててエラー消去・故障診断・試運転・エラーチェックで異常なし

修理完了です


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