ハスクバーナ 550XP-Mark2 不具合の事例 - エンジン(オートチューン)の不調
前回 ハスクバーナ 550XP-Mark2 エンジン不調 その1 で
ハーネスのボディ短絡を修繕した機体がアイドリングでエンストする症状が再発しました
症状
通常通り始動可能
アイドリングでエンスト ⇒ 再始動可能
機体を傾けるとエンスト ⇒ 再始動可能
突然エンストする
CST(診断器)で認識する
ハーネスの修繕部分かと思いましたが異常なし
基本にかえって確認作業します
いつもの故障診断手順(メーカー問わず使えます)
スパークプラグ交換・試運転
マフラー取外し・ピストンの状態確認
キャブレター取り外し・見れる範囲でピストン目視
クランクケースの圧漏れテスト
キャブレターを新品に交換して試運転
コントロールユニットを交換して試運転
キャブレターを元に戻して試運転
電子制御キャブレターに限らずこの手順でおおよそ見当が付きます
私見ですが電子制御キャブレターの故障診断ではPC+診断器よりも確認用のキャブレターとコントロールユニットを揃えていたほうが原因の特定に役立ちます
初期投資は痛いけど正確性と時間を買うのに必要ですね
PCに繋いだところで故障原因や交換部品が提示されるわけでもないですし
さて今回の患者さんの状態は・・・
スパークプラグ交換⇒変化なし
マフラー取外し・ピストンの状態確認 ⇒ OK
キャブレター取外し・機体の圧漏れテスト ⇒ 負圧にならない・加圧時スカスカ
どうもオイルシールが傷んでエアを吸い込んでいるようです
クランク軸はガタつきとか違和感がなかったのでベアリングは無事でした

550XP MarkⅡのオイルシールはベアリングのインナー側に接していて内径が大きくリップ当たり面が長いため相対的に傷みやすくなっています

クラッチ側オイルシールも同様に傷んでいるので交換
機体の圧漏れテスト ⇒ OK